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2022.09.16

椎茸の魅力を深堀り! 近年注目の栄養素やその栽培法、戦国時代から和食で重用される理由とは?

一般社団法人日本和食ライフスタイリスト協会代表理事/合田麻梨恵

一般社団法人日本和食ライフスタイリスト協会代表理事/合田麻梨恵

前回に引き続き椎茸の魅力として、栄養や栽培方法、なぜ和食といえばきのこ類の中でも椎茸なのかについて深堀りしていきます。椎茸の魅力を知って美味しくて健康キレイになれる和食ライフを実践していきましょう!

栄養素比較!きのこ類の中での椎茸の魅力は?

まずは椎茸に含まれている栄養素についてみていきましょう。分かりやすいように椎茸だけではなく、椎茸含め計5種類のきのこ類に含まれる5つの栄養素量を比較してみました。以下の表をみると分かりますが、実はきのこ類の中でも椎茸には際立った栄養素がないのです…!
※文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)
※全て生100g当たりの量

しかし椎茸について調べているとある栄養成分が含まれていることが判明しました。それは「エリタデニン」と言われている栄養成分です。エリタデニンはいくつかのラット研究でコレステロールの低下が確認されています(*1、*2)。現時点ではそれくらいしか言えませんが、さらに研究が盛んになれば臨床結果も増えていくと考えられます。「エリタデニン」に関する今後の研究に注目しましょう。

椎茸の栽培方法による栄養素の違い

さらに椎茸には大きく2つの栽培方法に分かれており、栽培方法によっても含有栄養素量が異なります。まずは2つの栽培方法について簡単に紹介しましょう(*3)。まず「原木栽培」は原木に種菌を植え付けて一年間自然環境のなかで育てる方法。もうひとつの「菌床栽培」は栄養源を与えたオガコに種菌を接種して3カ月ほど人工的な環境で育てる方法です。スーパーなどでよく目にする、安価なものは菌床栽培です。

では栽培方法別の栄養素量を見てみましょう。若干ではありますがカリウムとリンとパントテン酸はやや菌床栽培の方が高く、葉酸は原木栽培の方が高く含まれています。食塩対策(カリウムを摂る*4)には菌床栽培、加工品過剰摂取時や骨粗鬆症対策(リンを控える*5、*6)、妊娠時の神経管閉鎖障害のリスク低減対策(葉酸を摂る*7)には原木栽培といった具合に、対策別に選び方を変えるのも良いでしょう。
※文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)
※全て生椎茸100g当たりの量

椎茸が和食でよく利用される理由

和洋中とメニューを問わずに当たり前に食べている椎茸ですが、他のきのこ類の中でも和食で重用されている印象です。その理由は何なのでしょうか? 一つは日本人の食卓に昔から椎茸があったことが考えられます。

時を遡ること、鎌倉時代。初めは生椎茸ではなく乾椎茸から始まったそうです。さらに室町時代・安土桃山時代になると、足利義政や豊臣秀吉に椎茸料理を提供していた文献が残っています。さらに時がすぎ、天然の椎茸が食べられるようになったのは江戸時代で、明治時代に入ってから人工栽培がスタートしました(*8)。

今でこそきのこ類というと、ぶなしめじやえのきだけ、なめこ、平茸、舞茸など多種多様ですが、昔は文献に残されているくらい椎茸が主流だったのでしょう。

またここからは筆者の主観となりますが、椎茸の笠に隠し包丁を入れると美味しそうな見栄えになる、みじん切りにしやすい、笠を利用するなど調理に使いやすいといった、椎茸には他のきのこ類と比べてもメリットがあるためよく使用されているのではないかと考えています。

まとめ

椎茸は特に際立った5大栄養素がないものの、ラット研究においてはコレステロール低下が期待されている「エリタデニン」を含んでいたり、昔から日本人の食卓で使用されていた歴史的背景や、調理勝手が良かったりと他のきのこ類にはない魅力があります。次回ではそんな魅力ある椎茸を美味しく、さらに健康でキレイに食べられるレシピをご紹介していきます!(合田)

<参考文献>
*1 Diego Morales 1, María Tabernero, Carlota Largo, Gonzalo Polo, Adriana Jiménez Piris, Cristina Soler-Rivas|Effect of traditional and modern culinary processing, bioaccessibility, biosafety and bioavailability of eritadenine, a hypocholesterolemic compound from edible mushrooms|
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30456394/
*2 Norihiko Asada 1, Rumi Kairiku 2, Mika Tobo 2, Akifumi Ono 3|Effects of Shiitake Intake on Serum Lipids in Rats Fed Different High-Oil or High-Fat Diets|
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29701491/
*3 林野庁|原木栽培と菌床栽培|
https://www.rinya.maff.go.jp/j/tokuyou/kinoko/saibai.html
*4 厚生労働省|e-ヘルスネット|カリウム|
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-005.html
*5 厚生労働省|e-ヘルスネット|骨粗鬆症の予防のための食生活|
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-007.html
*6 厚生労働省|e-ヘルスネット|リン|
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-038.html
*7 厚生労働省|e-ヘルスネット|葉酸とサプリメント-神経管閉鎖障害のリスク低減に対する効果|
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-002.html
*8 長野県庁|林業総合センター|研究の成果|原木シイタケ栽培の歴史と基礎知識|
https://www.pref.nagano.lg.jp/ringyosogo/seika/gijyutsu/documents/132-2.pdf
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一般社団法人日本和食ライフスタイリスト協会代表理事/合田麻梨恵

一般社団法人日本和食ライフスタイリスト協会代表理事

合田麻梨恵

大学在学中に10カ国程、世界各国の料理を食べ歩く中"和食の魅力"に目覚める。大学卒業後、大手コンビニエンスストア商品開発を経て独立。和食文化継承と予防医学発展を掲げ、計28軒の全国にある伝統調味料蔵、燻小屋、漁業、農業の現場訪問や痩身インストラクター、歯科管理栄養士経験などから和食の研究を重ねる。和食ライフスタイリスト養成、健康コンサルティング、WEBコンテンツ企画(WEBマーケティング~監修・記事執筆まで一貫)の他、書籍執筆、メディア出演など。

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