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2022.06.18

大人の歯列矯正治療。受診前に知っておきたい基礎知識(歯科医師・富田大介)

歯科医師/富田大介

歯科医師/富田大介

感染拡大防止のためにマスクの着用が当たり前となった昨今、増えているのが歯列矯正治療、特に大人の矯正だといいます。歯科医師の富田大介先生に大人になってから受ける矯正治療について伺いました。

矯正治療は年齢を問わない

「歯並びや噛み合わせに悩む方から『矯正治療に年齢制限はありますか』とよく聞かれることがありますが、歯と健全な歯周組織があれば年齢を問わず、どなたでも矯正治療は受けられます」

「大人になってからの矯正治療で皆さんが気にされるのは治療期間とその間の通院頻度でしょう。治療期間は個人差がありますが、抜歯が必要なケースで平均1~3年、非抜歯の場合で平均1~2年です。通院頻度は通常、月に1回程度です。もちろん遠方にお住まいの方、多忙な方は状況に応じ調整することも可能です。私の患者さんで海外から来院される方は2~3カ月に1回という例もあります」

「いつ受けるのが良いのか、ともよく聞かれます。これについては、矯正治療というのは御自身が『受けたい』と思ったときがベストのタイミングだとお答えしています。治療期間中に大きな仕事やイベント(たとえば結婚式など)があり、矯正装置の見た目が気になると躊躇する方もいらっしゃるでしょうが、今は目立たない装置もあります」

リスクを低減するために大事なこと

「矯正治療中のリスクとしては、矯正治療時に歯根が溶けてしまうことがあり、これは歯根吸収と呼ばれる大きなリスクです。そもそも矯正は、破骨(はこつ)細胞と呼ばれる細胞が骨を溶かし、骨芽(こつが)細胞と呼ばれる細胞が骨をつくることを繰り返しながら歯を動かしていくものです。このとき過度な力が加わると破歯(はし)細胞という細胞が出てきて、骨ではなく歯を溶かしてしまうことがあります。こうしたリスクを防ぐために、力が加わり過ぎない特殊ワイヤーを使用するなどの対策があります」

「また皮質骨(ひしつこつ)と呼ばれる硬い骨や切歯管に歯根がぶつかると歯根吸収が起きやすいため、CTを用いて骨や歯根の形態や構造、位置や長さ、既往の有無などを把握してから治療を行うことも必要です。この他にも矯正治療をする上で患者さんにお伝えすべきリスクについて直接御説明することはもちろん、当院(ミライズ矯正歯科 南青山)ではウェブサイトにも明示してあります」

クリニック選びで重要なこと

「矯正治療を受ける際、クリニック選びで一番重要なことは『機能的な噛み合わせを実現する』という、矯正治療の本来の目的を院や医師が理解しているかどうかです。目安としては日本矯正歯科学会の認定医以上の資格を持っているかどうか。近年、治療によって見た目には歯並びが整ったように見えても、実際には噛めないというトラブルも増えていますので注意していただきたいですね」

「次に大切なポイントは、治療の選択肢を多く持っているかどうかということです。矯正治療にはマウスピース型矯正装置(*1)とワイヤーを用いるものがあり、ワイヤー矯正にも歯の表側に装着するものと裏側に装着するものがあります。それぞれにメリット、デメリットがあり、最適な装置は患者さんによって異なります。付け加えさせていただければ、当院では顎変形症の手術を伴う矯正治療や、矯正後の後戻りを防ぐための口腔筋機能療法(MFT)なども実施しています。不正咬合のあらゆる症例に対応できる体制を整えていると自負しています。皆さんの『矯正を受けたい』という気持ちを少しでもバックアップできたらと思っています」(富田大介・談)

(*1)完成物薬機法対象外(薬機法未承認)の矯正歯科装置(医薬品)であり、承認医薬品を対象とする医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
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歯科医師/富田大介

歯科医師

富田大介

東京都出身。歯科医師。 株式会社メディデント代表取締役。 一般社団法人日本オーラルヘルス協会代表理事。 昭和大学歯学部卒。東京医科歯科大学大学院専攻過程修了。同大学非常勤講師。ミライズ矯正歯科南青山、ミライズオーラルヘルス(南青山院・銀座院)、ミライズクリニック(南青山院・銀座院)、メディカルパーソナルジム&パーソナルサウナ「med.」南青山などを運営するミライズウェルメディカルグループ代表。2022年、医食住ウェルビーイングメディアBene Vita(ベネヴィータ)を共同プロデューサーとして立ち上げた。

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