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2023.01.06

給食の食べ残しを減少。少しの工夫で生まれた"食が進む"調理員のひらめきレシピ

ライター/かみざとよしと

ライター/かみざとよしと

国内でどの程度の食品が廃棄されているかご存知ですか? なんと年間570万トン(農林水産省及び環境省「令和元年度推計」より)の食品がゴミとして廃棄されています。少しでも廃棄の量を減らしたいという取り組みは家庭だけでなく、毎日、献立を提供する学校給食の場でも行われています。そんな給食現場の取り組みからは家庭でいかせるロス削減策とともに、食品を無駄にしない、そしてご飯が進むレシピのヒントも見つかりました。

食品ロス問題に対する給食現場での取り組み

国内の食品廃棄量・年間570万トン(農林水産省及び環境省「令和元年度推計」より)という数字について、消費者庁では<これは、世界中で飢餓に苦しむ人々に向けた世界の食料援助量(2020年で年間約420万トン)の1.4倍に相当します。>としています。

学校給食の受託会社である葉隠勇進株式会社では、食品ロス削減のために以下のような工夫を実施しています。

・可食部分を多く残し残菜が減るように野菜の皮むきを工夫する。
・残食が多いメニューに興味を持ってもらえるよう工夫する。

食べ残しわずか2%と美味しさを両立させた工夫

上記のような工夫をこらすとともに、同社では経験豊富な調理員の方の少しの工夫で残食率、つまり食品ロスを大幅に削減できた事例があります。ある日の献立を見た調理員は、ふと気が付きました。

「生姜焼きと根菜汁に白飯の献立。これだと生徒は先におかずを完食してしまい、白飯を余らせてしまいそうだ」と。とはいえオカズをもう一品増やすのは簡単ではありません。そこで、出汁をとったあとの昆布を砂糖と醤油で甘辛く味付けし、給食釜で煮て佃煮を作りました。さて、どうなったか……。本来なら廃棄されるはずの昆布を活用した佃煮のおかげで、その日の白飯の残食率はわずか2%弱でした。これは人気のあるカレーライスなどの献立とほぼ同率でした。

おかずを完食しても白米が食べられるように添えられた出汁ガラ利用の昆布の佃煮。カレーなど人気献立と同じくらい食べ残しが少なかった。

日々、給食を作る調理員の方々は食べ残しを減らすことはもちろん、根本には「成長期である子供たちに残さず、いっぱい食べてもらえるように」という思いがあります。出汁をとったあとの昆布やかつお節、煮干しなどは捨てずに、家庭でも工夫して「もう一品」に作り変えてみてはどうでしょう。こうしたレシピを活用することも、食品ロス削減の第一歩です。

●ソシオークホールディングス、葉隠勇進
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ライター/かみざとよしと

ライター

かみざとよしと

ライターの他、ディレクター、コワーキングスペース運営、コンサル、アプリ開発、Web制作、スクール運営など様々な事業に取り組む。沖縄で貧困問題を解決するために活動中。豊かに暮らせる人を沖縄に増やすため、現在はIT教育に注力。ITを活用して複数の収入源を作りつつ、暮らしは質素を心がけたエコな生活がお気に入り。趣味はキックボクシングとクレソン畑の草刈り。

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